スポーツの学びをサポートしたい。
大学や専門学校などで、初めてスポーツを本格的に学ぶひとのために、初学者でもわかりやすいテキストをつくりました。
■大学でスポーツを学べる学部が人気だけど?
全国の大学でスポーツ関係の学部・学科の新設が続き人気を呼んでいます。高校まで競技スポーツに打ち込み、大学に進学しても競技スポーツを続け、なおかつスポーツや運動・健康科学などを専門的に学びたいというニーズの大きさがわかります。大学もスポーツ系(体育会系)の部活入部を希望する学生に向けて、学部でも競技スポーツ等に役立つ教育カリキュラムを用意して学生のニーズに応えようと、スポーツ関係のカリキュラムを充実させています。
そのカリキュラムに関しては、各大学等が学部・学科のコンセプトに合わせ、その特色や特徴を打ち出してカリキュラムを構成しています。
一方で共通で統一的なコンセンサスが得られたベーシックなカリキュラムはなく、カリキュラム構成や講義内容には大学や教員の裁量の余地が大きくなっています。また、様々な専門分野の教員すべてが「スポーツ」という視点で研究した業績があるとも限りません。したがって、スポーツをどのように捉え教授していくのか。そこは、まだ手探りな状態と言えるのではないでしょうか。
■スポーツを学問的に見る視点
スポーツを学ぶには、さまざまな学問領域から多角的に見る必要があります。生理学、解剖学、栄養学、心理学など人間科学から経営学、法学、社会学、統計学など人文科学まで幅広い学問分野をスポーツという切り口からアプローチするのです。
また、競技スポーツをとっても、種類や形態によって必要とされる知識や能力なども変わってきます。例えば個人競技と団体競技では個々に求められる能力も役割も違いますし、野球や自転車など道具を使うスポーツと体一つで臨む陸上競技や水泳などの形態によっても違いますので、科学的なアプローチの方法も大きく変わってくるでしょう。また、近年ではエクストリームスポーツやe-スポーツなどの新しいスポーツも誕生しています。つまり「スポーツを学ぶ」とひと言で言っても、その定義や何をどう学ぶかはかなり広範囲に及びます。
■学術分野の一つとして「スポーツ」
スポーツが一つの学術・研究分野として成り立つには、その歴史や社会的意義、位置づけなど、誰もが認めるスポーツ独自の文化や哲学が必要です。その上でスポーツを成り立たせる関連の学術分野を俯瞰的に捉え、スポーツを軸に系統立って体系化されていることが必要です。
近年、その動きはスポーツに関する基幹的な学術団体である「日本体育学会」が、2021年に「日本体育・スポーツ・健康学会」へと学会の名称変更し、より幅広い分野からスポーツを科学的にアプローチする方向性を鮮明にしました。また、東京オリンピックを経てますます研究や教育、選手の育成体制なども整ってきました。今後もさらにスポーツに関する科学的な研究が盛んになってくることが期待されています。
■初学者がスポーツを学ぶテキストが少ない
スポーツ関係の学部・学科が増えていく中で、高校を卒業した初学者レベルの学生がそれぞれの専門分野を理解できるようなテキストは、それほど多くはありません。指定されるテキストは、どちらかというとその専門分野についてある程度の知識を持っていなければ読みこなすことは難しい専門書が多く、これではせっかくスポーツを学ぼうとする学生の出端がくじかれてしまいます。みらいは創業以来、健康や福祉、教育に関わる専門職の養成にかかわるテキストや専門書の出版を通して、「誰もが安心して暮らせる住みよい社会の実現」を社是としてテキストづくりを行ってまいりました。当然、スポーツ分野は人々の健康と日常生活への潤いをもたらす学問領域でありますから弊社としても取り組むべき分野と考えています。
スポーツの学びは、競技者(アスリート)として成長する専門知識を身につけるのみならず、スポーツを楽しむ、または競技力の向上をめざす人々の指導者やアスリートをサポートする各専門職、競技団体やチームの運営・経営など、将来の選択肢を広げることにもつながります。
そこでみらいでは、これまで社会福祉や管理栄養士、保育士、介護福祉士などの専門職養成のテキストづくりにおいて蓄積してきた初学者がわかりやすく、理解しやすい紙面作りと編集ノウハウを活かし、スポーツをはじめて専門的に学ぶ学生に向けたテキストを開発できないかと考えました。